1.Magic City

解説

 あなたは見知らぬ土地で目が覚めました。
 円形に敷き詰められるように立ち並ぶ建物に、どこから流れてくるのかもよくわからない川、そして見たこともない植物たち。
 極めつけは、上空に浮いている巨大な水晶と、それを囲うように展開され、大きな物音を立てながらゆっくりと回転するリング……物理法則をこれでもかと無視した構造に、あなたは唖然とするでしょう。
 しかしそれは至極当然のこと。

 あなたが迷い込んだこの世界は、『魔法の世界』です。
 
 ほら、後ろを振り向いてください。
 あなたをこの世界に召喚した、魔法使い見習いの少女が不安そうに眺めていますよ?

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 ベル系の音をメロディに据えた、シンプルなサウンドのBGMとなります。
 マレット系のサウンドがこれでもかと使用されており、耳触りがとても良い一曲となりました。
 ※DLデータは、ループサウンドとなっております。

2.Puzzle Line

解説

 イメージしたのはそう、テ〇リスでございます。
 妙に急かされているようなアップテンポの16ビート。
 さぁ、これであなたは画面の前から離れることはできません。
 こっちの気なんか知ったことかという感じで次々と降ってくる謎の物体を消し続ける作業に身を投じることとなるのです。

 そしてボタンを押し続けること数十分。ついにこの長い戦いに終止符が打たれそうになります。
 あぁ、ようやく終われる。
 そんな安心感とともにフラッシュバックされるのは、これまでの成績です。
 諦めるにはあまりに惜しい、伸びに伸び続けた数字を眺めていると、不思議なことに『あともう少し』という気持ちになってきます。
 そうなってしまったら最後、きっとあなたは何時間もそこに居座ることになるでしょう。チャンチャン

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 タイトでせわしないベースラインと、セミが鳴くようなシンセリードからスタートするアップテンポな曲です。
 8bitの音を使い、レトロゲームっぽさを演出しつつ、ストリングスやブラスが現代的なサウンドを保っています。
 そして終盤、突然訪れるポップなピアノ。
 個人的にはこれがクセになってたまりません。
 

3.HI MI TSU KI CHI

解説

 8月15日。
 宿題もほとんど終わらないまま、夏休みの半分が過ぎ去った。
 「いつやるの? 手伝わないよ?」という母からの忠告も聞かず僕は家を飛び出し、自転車を走らせる。
 色白で生まれたはずの肌を容赦なく黒く染め上げる灼熱地獄と、耳障りなセミの鳴き声に耐えながら僕はペダルを漕ぎ続けた。
 目的地はいつもと同じ、町はずれの林の中。
 そこに佇む大きな木の上に、僕たちの秘密基地はあった。
「ようやく来たか」
 僕が秘密基地に到着すると、友人のコウヘイがあいさつ代わりにそう言った。
「うん。お母さんが宿題やれってうるさくてさ」
「お前の母ちゃん、厳しいもんな」
 コウヘイはやれやれ、といった感じでそう言いながら側に立て掛けてあったギターを手に取る。

 僕とコウヘイはが夏休みの間に見つけた、密かな遊び。それは『音楽』だ。
 ことの発端は、コウヘイが家でほこりを被っていたアコースティックギターをここに持ってきたこと。そこから僕たちは音の世界にのめりこんでいった。
 僕は楽器を扱えないので、ティッシュ箱を叩きながら口笛を吹いた。
 コウヘイのぎこちないギターと、僕の調子の外れたメロディとリズム。
 そこに風に揺れる木々のざわめきと、さっきまでうるさいと感じていたセミの鳴き声が合わさることで僕たちだけの音楽が生まれた。
 それは第三者から見たら、到底音楽とは呼べないお粗末な代物だったのかもしれない。
 しかし、その時の僕たちにとっては、かけがえのない宝物だったのだ。

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 アコースティックギターとフルート。その二種のみの音色から作られた、非常に短く、それでいてシンプルな曲です。
 そこに季節感を漂わせるセミの鳴き声をかぶせるとあら不思議、一気に夏っぽくなります。
 季節外れも甚だしい(3月作成)ですが、この曲でいち早く夏を感じていただけたら幸いです。

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